希望の風 ロータリー希望の風奨学金10年のあゆみ
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132790地区(千葉県)ガバナーの織田吉郎氏は「ロータリーの真価が問われるのは、災害初期でなく復興期である。被災者の避難生活は長期にわたるし、義援金の使徒は被災者を支援することにとどまらず、それを通して被災地のクラブがより良いクラブに成長していくことまで考えて決定するのがベスト」と述べています。そして、第一次配分は最小限にとどめ、義援金をしっかりプールし、災害復興期に行政が打ち出す復興支援制度の網で救うことのできないないさまざまな困窮事業、例えば、被災遺児の就学支援、進学支援、里親活動などをロータリーの続させるには魅力的なプロジェクトを作ることが重要であり、①公正で、②温かさのある、③建設的なものでなくてはならない」との指摘がされました。加えて、「行政や他の組織にはない、ロータリーらしさを出せないだろうか」との思いが語られました。地区ごとの判断を尊重 震災支援に関して緊急を要する案件が多く、第4回ガバナー会が開催されることになりました。第2520地区ガバナーの楢山氏から「義援金の使途について、被災地域を見た上で最終決定をしていただきたい」との要請があり、6月9日盛岡市で開催されました。 その前日、各地区のガバナーが盛岡に集まり、現地のロータリアンから状況説明を受けながら陸前高田市、大船渡市を視察しました。震災直後に比べると、瓦礫が整理されたり、仮庁舎の建設が始まったりしてはいるものの、ほとんど進展がない状況でした。 ロータリーに関しては、例会場を復活させたクラブもありましたが、例会など思いもよらないクラブが多いとの説明がありました。 会議では、被災地区のガバナーの一部からは最後まで義援金を被災地区に配分してほしいとの要望が出されていましたが、支援の2本柱として①被災遺児への奨学金支援、②5 for 1プログラム(5つのクラブで被災した1つのクラブを支援するもの)が提案され多くの賛同を得ました。ただし、独自の方法で支援をするために義援金の返還を求める地区に対しては、これに応じることも決まりました。活動として息長く続けることを提言しました。 同じく被災地区である第2530地区ガバナーの大橋氏は長岡藩士の小林寅三郎にまつわる「米百俵」の故事を例に「今ある義援金は決して大きな金額ではない。これを分散させることなく、将来を担う青少年たちの教育環境改善のための使うべきである」と述べました。 一方では目の前の甚大な被害に対して、緊急支援を望む声もありました。 そこで、長期的な取り組みが必要であるとの認識に立って使途を検討し、一部を見舞金として被災地区に配分し、緊急支援に役立ててもらうことで一致。長期的な取り組みについては、被災地区のガバナーも入れて使途検討委員会を組織することになりました。使途検討委員会は「東日本大震災支援委員会」と命名され、委員長に織田氏が就任しました。 ガバナー会は規約で年3回開催されることになっています。当該年度の第3回のガバナー会は、震災が発生する以前に4月25日開催と決まっていました。分科会なども含め議題も事前に決定していましたが、同11日の緊急会議同様、この日も東日本大震災についての協議に終始しました。 ガバナー会議長・第2580地区(東京都・沖縄県)ガバナーの上野操氏から震災発生以降の経緯が報告され、東日本大震災支援委員会委員長の織田氏から復興支援体制として、「ロータリーの単年度制が障害にならないだろうか。継

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