希望の風 ロータリー希望の風奨学金10年のあゆみ
14/40

12発足するまで震災直後に動き出した支援活動 2011年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震とその後に発生した大津波、そして東京電力福島原子力第一発電所で発生した炉心溶融など一連の放射性物質の放出を伴った原子力事故は東北地方に多くの被害をもたらしました。「東日本大震災」です。 この大災害の報に接し、日本国内だけではなく、世界中のロータリークラブやロータリアン(ロータリークラブの会員)は、支援へと動き出しました。震災発生直後に食料や毛布などの支援物資をかき集め、トラックに積み込んで被災地に向かったクラブがありました。その後も、道路が寸断されガソリン不足の状況下で、何とか支援物資を届けようと日夜を問わずクルマをはなく、世界中のロータリークラブからの支援の申し出が届いていました。 当該年度のガバナー会では、義援金や支援金を集めるに当たり、被災した地区が広域で多地区にわたるためオール日本での対応とし、ガバナー会で取りまとめる方針を打ち出しました。一方で、ロータリーの活動ならびにガバナー会の立場上、各地区やクラブあるいはロータリアンが個別に支援するケースについてはその意思を尊重することになりました。ロータリアンらしい活動を念頭に 地震から1か月が経過した4月11日、国内34地区のガバナーのうち26人が東京のグランドプリンスホテル高輪に集合し、緊急会議が開催されました。国内のガバナー全員集合とはいきませんでしたが、被害が大きかった第2520地区(岩手県・宮城県)ガバナーの楢「ロータリー希望の風奨学金」……そのあゆみ走らせたロータリアンたちがいました。 被災地ではロータリアン自身も例外ではありません。自宅や事業所が壊れたり流されたり、家族や身近な人たちが亡くなった、消息がわからないという状況の会員もたくさんいました。そんな困難な状況にもかかわらず、地域の人々の支援に奔走するロータリアンもいました。 日本国内にある国際ロータリー(RI)の地区は34。それらの地区のガバナーからなるガバナー会(2010-11年度)にも、国内だけで山直樹氏と、福島原発を抱える第2530地区(福島県)ガバナーの大橋廣治氏も、緊急支援や会員の安否確認に追われ、また交通事情が悪い中を駆けつけ出席しました。 災害発生時においては、状況が刻一刻と変化します。支援のためには、それらの情報を的確にとらえ、いち早く対応することが肝要です。しかし、停電していてインターネットが使えなかったり、電話が混み合み合って繋がりにくかったりという中で、被災地の状況を正確に知るのには限界がありました。そこで緊急支援に対応するため、既に義援金の一部を主な被災地区に送金していましたが、この時点で、ガバナー会に寄せられた義援金は4億9,000万円を超えていました。 緊急会議では、義援金のロータリーらしい使い方について、検討されました。 「ロータリーらしい支援活動」とはどのようなものなのでしょうか。被災地区でもある第

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る